さて前回は戦隊ヒーローの変身スーツの事例で、
色別、サイズ別の数量付けの話しをしました。
今回はその後編です。

という事で小売業の利益改善コンサルタント、
中小企業診断士の専田政樹がおくる、
店舗の利益改善 虎の巻、
【37巻:店舗事例③ 後編】です。

まずは120cmが売れる理由です。
お子さんがいらっしゃる方は子供の年齢と
服のサイズを想像してみて下さい。

売り手側としては
100cmといえば3才から4才、
110cmといえば4才から5才、
120cmといえば5才から6才くらいを
想定しています。

実際にはこれだと
少し大きめかもしれませんが、
子供ものって少しおおきめで
買うケースが多いのです。

テレビ番組をみて、
夢中になってグッズが
欲しいといいだす年齢を
想像して下さい。

子供の興味を持つ番組は
年齢とともに変化します。
最初は「うーたん」から入って、
「お母さんといっしょ」へ。

そうそう「アンパンマン」も
忘れてはいけない存在です。

そして徐々に幅が広がっていくわけです。
幼児から低学年向けとはいっても、
きちんと話が理解できるようになってから
おもちゃだけでなく、
服が欲しいといいだすのです。

そこで実際に最も売れるサイズが
120cmとなるわけです。
これはよっぽどの事がないと、
統計的に変化はしませんでした。

次は色についてです。
赤が売れる理由は単純に主人公だからですよね。
男の子の番組の主人公に赤が使われるケースは
そもそも多いのですが、おそらく主人公でなければ
動向は変わるはずです。

ここでイレギュラーが
発生したケースのお話です。
忍風戦隊ハリケンジャーという番組です。
この年はメンバー編成と色付に
ちょっとした変化がありました。
最初は3人組からスタートです。
これが1つのポイントです。
赤と黄色が男キャラ、青が女キャラでした。

さてどう思いますか?
この年も同じように3色販売。
そして主力商品は変身タイプの
忍者ジャケットです。
話のポイントは青です。

女の子キャラの青、
売れそうですかね?
ちょっと考えてみてください。

実際にどうなったかというと、
青が例年以上に売れました。
赤の1/2くらいの数量にアップしました。

なぜでしょうか?
この「なぜ」が大切です。
もうひとつ、いまと条件が違ったのは、
対象年齢の幼児化がそこまで
進んでいなかった時代なので、
まだ130cmまで展開していました。
これもヒントです。

みえてきましたか?
「姉-弟」というパターンの
ファミリ-に人気だったのです。

子供が1人で動けない年齢のうちは、
家族で一緒に行動することが多いはずです。
そして女の子の色の好みは、
幼児期のピンクから、
小学生になり、学年が上がるにつれ、
サックスに変化していきます。
 ※別途トレンドもありますが
  全体感としての傾向です

弟と一緒に番組をみていて、
年上のおねえさんが、
大人っぽいイメ-ジをもつ、
ブルーのジャケットを着て
活躍しています。
弟はもちろん赤一直線で、
親におねだりします。
商品そのものの出来栄えも
非常によかったので、
 ※デザイン的にキャラクター
  丸出しではないので、
  一緒にあるいていても
  さほど恥ずかしくなかった
親もなんとなくいいかなと
なりやすい流れです。
そこで一緒にきている姉が、
私も欲しい…となったのです。

さすがに初回納品時は、
量をつめませんでしたが、
「いけるかも?」という
可能性は感じていたので、
入荷してしばらくは、
お客様観察です。
特に週末ですね。
じっくり動きをみていて、
上記の買い方に確信をもったのです。
すぐに発注して量をもちます。
結果的に単品がうれたこともありますが、
今まで弟さんが赤を買ってもらって
終わっていたマーケットに
姉買いが入るので、
1家族に対し2枚うれたのです。
これは全体の売上も押し上げます。
いままでなかったマーケットを
掘り起こしたわけですから。

この年は秋も当たり年でした。
番組後半からキャラクターを足して
リフレッシュをすることは多いのですが、
3色忍者からスタートしたこの年、
後半はカブトライジャーとクワガライジャーと
いうのが登場してきました。
何故、昆虫に走ったのかはよくわかりませんが、
とにかく男の子にとっての
憧れキャラ(カブトムシとクワガタ)である事は
間違いありません。
しかもこの2人めちゃくちゃ格好いい、
レザーのジャケットを着ているのです。
幼児相手にレザーのジャケットなんて、
普通は売れません。
手入れが面倒にきまっています。

でもこれは売れると直感したので、
カブトメインで最初から在庫確保に走ります。
その一瞬を逃さなかったので、
他店の倍は確保しましたが、
一発で品切れ。追加は効きません。
案の定、お客様からは問い合わせ連発。
電話問い合わせまで入る状況です。

これだけヒットしたのに、
なかぜ翌年からもとに戻っちゃいましたが…

という事でお話のポイントは2点。
1つ目はサイズ分布の理由を
正しく理解すれば
ギャンブルではなく
しっかり判断できるように
なるという事。
確実になります。

2つ目は、
背景とターゲットの動向を観察して、
データと掛けあわせ、
今回はどうなのか仮説を持つという事。

わかりやすい事例として
キャラクター商品を
取り上げさせて頂きましが、
いかがでしたか?

あなたのお店の商品でも
色々試してみて下さいね     (^^ゞ