前回に引き続き今回の売上の話も事例話です。
私の小売業の20年の経験の中で
これこそが後のノウハウに繋がったという事例です。

という事で小売業の利益改善コンサルタント、
中小企業診断士の専田政樹がおくる、
店舗の利益改善 虎の巻、
【34巻:店舗事例② 前篇】です。

今回の話は2店舗目のお店のお話です。
このお店、大規模小売店舗法から大規模小売店舗立地法へ
変更する狭間の時期に出店が検討されていた店で、
最終的には後者の法律が施工になる前に
開店する事が決まり、駆け足で
オープンしたお店でした。

その結果どんな事がおこったか…
街そのものはバブル期に大々的な
開発計画がありましたが、
すでに経済は後退して久しく、
計画の進捗は大きく遅れていました。

さて上記の2つの要素を掛け算すると、
何がおこるでしょうか?
だいたい予想がつくと思います。

そうなのです。
店は開けてしまったのですが、
街の開発がおくれている為、
人が住んでいないのです。
という事で、
新築のマンションで
埋め尽くされている海側は土手のまま、
新規開発が進むはずの
駅の反対方向1/4も土手のまま。

しかも駅前には競合の3本指に入る旗艦店。

つまり唯一人が住んでいる方向は、
競合で蓋をされていて、
八方塞がりの状態での開店となったわけです。

マーケットの中をよくみると
人数の絶対数は少ないですが、
住んでいる方は二通りのタイプがいました。
ひとつは旦那さんが働いていて奥様専業主婦の
世帯年収1000万から1500万タイプ。
もうひとつは共働き、
世帯年収800万から1000万タイプです。
※わかりやすくする為に少し極端に表現しています。

その結果、消費スタイルは
こんな風に分かれます。

①あまり価格は気にせずに、
「今欲しいもの(旬)」や、
「品質の良い物」が欲しい人の層

②時間に追われていて
「買い物は短時間でぱっとすませたい」や、
外食が増えたり、人付き合いが多かったりで、
「世帯年収の割に、経済的にはシビアなタイプ」

の2タイプのお客様です。

勿論こんな状況ですから、
会社全体でいえば売上順位は低いですし、
売上の予算比ベースでいえば、
常にワーストのワンツー店舗です。
もうひと店舗も似たような状況で、
店の周りは牛と自衛隊の官舎しかいないと
いわれている店でした。

そんな中でも、分析を続けると
「売れないなり」に巧妙が見えてくる訳です。
これが今回の事例で取り上げる、
「過去データの使い方」です。

ただし前段の客層の①②はあとから
理解している話であって
当時わかっていたわけではありません。
後にマーケティングを学んだ為に
後から私が整理した内容であって、
当時、現場にいた頃はもっと感覚的で、
体系的な理解はでいていませんでした。

過去データを見続ける事で
傾向値がわかります。
なんとなく売れそうなものが
つかめてくるわけです。
注意すべきは商圏のパイが小さいので
売れ続ける訳ではないという事です。
これは過去データとあわせて、
失敗することによって学ぶ感じでした。
残って売れなくなった商品は、
おそらくどの店よりも売れません。
いくら叩いても売れません。

実際に残してしまうと
もうお腹いっぱいになったところに
サービスの料理があると言われても
食べられない状況と同じで、
いくら価格を下げてもうれません。
婦人ものの長袖Tシャツを
60円で売ったこともありました。
お客様からは、
ガムみたいな値段ね…
といわれてしまいました。
こうなると可能なのは
他店に電話をしまくって、
平誤りでお願いして、
商品移動をかけるしかなくなるのです。

そうこうしているうちに、
このタイプの商品はいける筈だ!
という品番がわかり始めました。
この店で2年くらい
経過した時でしょうか?
上記の②タイプのお客様に
受け入れられそうな商品です。
安価でベーシックで、
手に取れば一発で、
これいいね!というものです。

そこで私、この商品を思い切って
仕掛ける事にしました。
少々残しても心配ないものでしたし…
で、どのくらい思い切ったかというと、
当時の状況で、品番で売れる商品でも、
せいぜい15個、いっても20個という状況で、
初回投入で100個もちました。
初動を見てさらに100個追加しました。
これってこの店の場合、結構な確率で
自爆するパターンなので、
まわりの目は冷ややか…
まだわかんないの?
やめとけばいいのに…っていう感じです。

少々文字数が多くなってきましたので、
本日はこの辺で、次回に続きます。
次回はこの結果についてと、
体系化例をお話します。

乞うご期待!  (^^ゞ