みなさんこんにちは。中小企業診断士の專田政樹です。
今日は下記リンクの株式会社SCSK様の記事から「働き方を変える事を成功に導く」為にはどうすればいいか?
というテーマです。ダイバーシティマネジメント(多様な人材が存在する状況)をインクルージョン(組織として一体的且つ有機的な活動)レベルまで
高めるのにとても重要な要素となります。

元記事は下記リンクです。

残業しない人に残業代を払う会社 SCSKが労働時間を削減して連続増収増益を達成した理由 2015年06月16日 広岡 延隆

 

■以下本テーマのポイントを抜粋

2012年夏、SCSKでも特に残業時間が長かった32部署に、残業時間半減の指令が下る。その他の部署も含め、全社を挙げて集中的に取り組んだことで確かに成果は上がったが、それは一時的なものにすぎなかったことが程なくわかる。業務が繁忙期を迎える年度末になると、再び残業時間は急増し、元の木阿弥になってしまったのだ。 ところが、2年目の2013年度は22時間3分、2014年度は18時間16分にまで減少。1年目にうまくいかなかったものが、2~3年目に機能した理由とは。

そもそも、労働時間のコントロールが対象になっている人たちは、そんなに年も取ってない。まだ収入が少なくて、家族もできて、生活がしんどい。教育にもお金がいるし、ローンもあるわな。
IT産業の人たちは、長時間の残業が常態化しているから、残業代が総収入に占めている割合がものすごく多い。もちろん(従業員には)、無理やり残業して生活の足しにしている、なんて認識はないよ。でも、これが自分の生活であり年収なんや。僕だって組合員のころには、残業代の方が多い時があったよ。
残業は悪である。君らやめたまえ。もっと早く帰れ。経営者がそんなこと言っても、(従業員の)頭の整理としては、『そう言われても、それでは仕事が回らない』ということになる。もう1つは、よしんば残業時間が減ったとしても『そんなことしたら俺、収入が減るやないか』『ローンにも影響するで』と思う。


確かに、残業削減だけを言われると、会社が業績を上げるために社員に負担を強いていると感じてしまいそうですね。

 

中井戸:そうでしょう。残業を減らせば給料も抑えられて、経費も販管費も減る。だから、残業を減らせと言っているんだろうと。これが、まず人間、頭に浮かぶことなんですよ。

だからウチは、50時間の残業を20時間に短縮できたら、30時間の残業代は全部翌年のボーナスで戻すと言った。だから、収入、経済上の心配は一切するなと。会社は『ぽっぽないない』はしませんから、安心して残業のあり方を考えてくださいと。
 給料を担保しているのだから、効率的に働いたら自分の健康にもプラスになる。仕事のあり方を従業員が自分で考えてくれ、という動機付けをしたのが、大きなポイントや。
 残業を減らせと言われたら、給料を抑えて販管費も減らしたいからかと。俺ら、大変なんだと、好きでやっとるのと違うねんというのが、まず人間、頭に浮かぶことなんですよ。だから、そこまで触れてやらないと、本当に自分たちの健康のことも考えてくれているんだという気持ちにはならないでしょう。
そうしたら部長も、課長も、リーダーも、チームも自分で考えるよ。『今までのようなやり方でやっていたら、あるチーム員が失敗したら、全員がみんなまた元へと戻ってやり直しやと。それよりこうやった方がいい』と。こういうことを自ら考えさせる。経営者はそんな(現場の)ことまでは分からないんだから。いい方に回転しだしたら、みんな自己増殖していく。

 

■ざっくりいうと
実際に共感するところですが、「残業なんてやりたくてやっているわけではない」、一方で「残業が恒常的になっているが為にそれを含めたベースで生活を成立」させてしまっている。賞与を生活給だという主張ともにている気がします。実際は復数の要素が入り交じっているのが実際の現場ですから、残業を減らせという指示が出た時に、「やりたくてやっているわけではない」という部分だけを被害者的に強調するのは、一見「本当」のようですが明らかに「嘘」ですよね。これぞ「本当のような嘘」。善意で解釈するならば「既得権益とのジレンマ」といった感じでしょうか?
この事例の場合、恒常的な残業部分をそう認め、業務の効率化を果たしても、その「削減分=業務を効率化して生産性を高めた分」は賞与時に支払うとしたことで、改革を成す為の障害が取り払われた訳です。そのため、従業員は本気で、真剣に業務効率の改善に取り組む事ができたのです。「残業してないのに残業代を払う会社」というと違和感がありますが、客観的にみれば正しい考え方だとわかります。こちらは「嘘のような本当」という訳です。そして余暇が充実する事で心身ともに健康度がまし、更に色々なものみ触れる時間ができる為にイノベーションの「たね・発想」を個々がもちやすくなるという好循環を産んでいます。このあと裁量労働性に変更したそうですが、会社はぐんぐん伸びています。社員の改革のハートに火をつけ、自律した改革型社員の育成にもつながっています。ダイバーシティマネジメント(多様な人材が存在する状態)をインクルージョン(組織として一体的、且つ有機的な活動)なレベルまで引き上げる事に成功した訳です。

 

■まとめ
働き方についての改革を成功させようと思ったら、そのジレンマを取り払う施策とセットにしなければならない。もしその施策を実行する事で、既得権益を失う人がいたら、そのグループは自己正当化する為の「本当のような嘘」をつき、施策の実行を減速させる。もっと言えば施策そのものを否定し、さらに後退させてしまう。利害関係までしっかり踏み込んで、既得権益者層に旗をふらせるくらいがちょうどいい。抵抗勢力の最先方になりそうなグループが、納得して推進派になるくらいまでいけば、その改革は成功する。面倒臭がって乱暴に、強引に事をすすめようとしたら上手くいかないと言う事です。さぼらずしっかりと取組をしていけば、上手くいくという事例でした(^^ゞ